解決事例「自作の遺産分割協議書」と「相続財産の調査」
「自作の遺産分割協議書」と「相続財産の調査」
母が亡くなったので、相続手続き一式をお願いしたいと思い、依頼をしました。 10年ほど前に父が亡くなったとき、自分でインターネットなどで調べて、「遺産分割協議書」を作り、関係人に署名・実印押印してもらった経験があります。知り合いの司法書士の先生に不動産登記申請をお願いして、その当時は問題なく手続きが完了しました。 今回も同じように自作で作った「遺産分割協議書」があるので、これを使って手続きをして欲しいです。また、必要な戸籍謄本なども自分で調べており、関係人にも取得してもらっているので、戸籍は全て揃っているはずです。行政書士の先生には書類の簡単なチェックと司法書士の先生につないでもらえば足りると思います。
(О様/茨城県/男性/60代)
【ご依頼の経緯】
ご準備いただいた書類一式を拝見しました。「遺産分割協議書」については、この後に続く司法書士の先生が行う不動産登記申請書に添付する書類としては不備がありました。また、被相続人の金融資産の遺産承継を代表相続人が受けた後、各相続人に代償分割をする、と協議していましたが、こちらについても記載内容に不足がありました。また、全て揃っています、としてお持ちいただいた戸籍謄本にも不足がありました。正しい「遺産分割協議書」の作成と、不足している戸籍謄本の取得をお手伝いすることになりました。
そしてこの後、実はまた別の問題が発生しました。
お母様の所有物件を調べるうちに、お父様名義の土地が相続登記がされないまま残っていることが判明しました。
ご依頼人様は10年ほど前にすべての手続きが終わっている、というご認識でしたので大変驚かれていました。
原因は、「名寄帳」を取得していなかったことでした。
「名寄帳」とは、市区町村の資産税課、課税課で管理する書面。特定の人がその市区町村内で所有しているすべての物件(土地・建物)を一覧で確認できるものです。固定資産税を納付する時期に届く「課税明細書」とほぼ同様の内容ですが、非課税の土地(例えば共有の「公衆用道路(私道)」など)を所有している場合、その土地は「課税明細書」には記載がされない(なぜなら「非課税」だから)ので、相続登記時に申請漏れが生じることがあります。今回はまさにそのケースでした。
【担当木村行政書士からのメッセージ】
自作で作成した「遺産分割協議書」や依頼人が自力で集めた戸籍謄本には不備・不足が生じていることが多くあります。
また、昔から父・母が所有する不動産はこれしか聞いていない、との認識で、所有不動産の調査を省略する方もいらっしゃいます。
自作・自力で手続きに取りかかられたとしても、最終的には十分な法的知識を持つ専門家にご依頼いただくことを強くお勧めいたします。
今回はお父様名義の不動産物件が早い段階で発見され、必要な戸籍を追加で取得することにより以前の相続登記漏れを無事に解消することができました。
お母様のご相続で当法人にご依頼いただき、2つのご相続手続きのお手伝いができました。
ご依頼人様にも感謝のお言葉をいただきました。
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